競走成績、過去のデータを見るとレースによってはあからさまに偏った結果が出ることがあります。例えば菊花賞優勝馬の前走成績。この10年間でトライアルレースからの優勝馬は9頭ででした。しかも今年キタサンブラックがセントライト記念から優勝するまではほとんど神戸新聞杯からの優勝。菊では波乱が起きず、勝つならばトライアルから制覇しなければお話にならない、という状況でした。
では、このエリザベス女王杯にはどういった傾向があるでしょうか?まず菊花賞でもそうだったように、他のG1でもやはりトライアルからのデータは参考になることが多いですが、エリザベス女王杯には優先出走権の与えられるレースが府中牝馬ステークス1つだけで、優勝馬のみに与えられます。そして府中牝馬Sからの優先出走馬での該当はありませんでしたが、2012年優勝馬レインボーダリアは府中牝馬S4着からの出走となっています。
過去10年のエリザベス女王杯勝ち馬で見たとき、一番前走として多かったのが秋華賞で4頭。ちなみに2006年は1位入線のカワカミプリンセスが進路妨害により降着、2位入線馬のフサイチパンドラの優勝となりましたが、これはどちらも秋華賞からの出走でした。
このデータを参考とするならば、秋華賞路線での出走が一番確率としては信頼のできるもの。凱旋門賞のように、斤量の影響か3歳馬が有利と言われるレースもあるだけに、エリザベス女王杯もそのようなレースなのか、というと秋華賞路線以外の3歳馬の勝利は2010年スノーフェアリーのみだったため、3歳馬が特別有利であるというわけでもありません。
その他に注目したいデータとしては人気馬が来ない、という点です。過去10年の優勝馬の単勝人気は1番人気が2頭、2番人気2頭、3番人気1頭、4番人気以下が5頭という結果になりました。1番人気の勝率20%では、単勝では絶対に買いたくない確率ですね。馬連の軸などならばまだありですが、信頼を置くことは難しく思います。
最後に、前年覇者のエリザベス女王杯戦歴を見てみると、スイープトウショウは5-1-2-3着、フサイチパンドラは1-2着、リトルアマポーラは1-7-4着、スノーフェアリーは1-1着、レインボーダリア5-1-13着、メイショウマンボ1-12着、そして今年も挑むであろうラキシスが2-1着。スノーフェアリー以前は、優勝後もいい流れになっていますが、その後は大崩れしています。
秋華賞路線の出走馬優位、そして近年は連覇が難しいと、前回記事ではラキシス連覇の可能性大、と見ていましたがこれは雲行きの怪しくなるデータが出てきてしまいました。